危険認知が低下している認知症である方が介護するご家族の気づかないうちに屋外に出てしまうことを防ぐ目的で、センサーを利用して介護者へ知らせる福祉用具です。徘徊感知機器は送信器と受信器で成り立ちます。
- 送信器〜対象となる方の行動や位置を赤外線やセンサーで察知し報知する装置
- 受信器〜送信器から報知された情報を受信し、チャイムやアラーム、光ライトで介護者へ知らせる装置
徘徊感知機器を使用するメリット
徘徊の初動作を知らせるため、徘徊して行方が分からなくなるなどの事故を未然に防ぐことができます。また、転倒リスクが高い認知症の方のケガに繋がる動作にも早期に気づくことができます。
認知症徘徊感知機器は対象の方の安全を確保するだけでなく、どこにかに行ってしまわないか、ケガをしてしまわないかなど介護者の不安、心労の解消にもつながっていきます。
認知症徘徊感知機器の種類
出入口通過時に報知するタイプ
自宅内などでの自由な行動は問題ないけど、介護者の目が行き届かない一定の場所から外に出てしまうことに危険がある場合には、出入口のドアを開けときや通過したときにセンサーが感知し介護者に知らせるタイプがおすすめです。(居室の出入り口、玄関、勝手口など)以下、商品の一例になります。
[家族コール3D・スマート〜株式会社テクノスジャパン]
閉めた扉と接する壁に送信センサーをセッティングし、そのセンサー同士が離れたら(扉を開けた瞬間)センサーが働きます。
[care愛超音波センサーライトシリーズ〜ハルカプラス]
察知したい扉の前に超音波センサーがあたるように送信器をセッティングし、その前を対象の方が通過したときにセンサーが働きます。
ベッドから離れる時に報知するタイプ
歩行時の転倒リスクが高い方などの場合はベッドから歩き出す前に介護者が気づけるタイプがおすすめです。認知症の方は足の筋力低下などで歩くことが困難、歩くときは必ず介助が必要にも関わらず、自身の歩行能力を理解できず突発的に立上がり行動してしまうことがあります。商品は寝ている状態から起き上がったときやベッドサイドに座ったときにセンサーが感知し介護者に知らせるものがあります。以下、商品の一例になります。
[家族コール3A・スマート〜株式会社テクノスジャパン]
ベッドサイドの足元センサーマットに足をつけた瞬間にセンサーが働きます。センサーマットに少しでも重さがかかると放置する仕組みです。
[家族コール3B・スマート〜株式会社テクノスジャパン]
ベッドから起き上がった瞬間に背中のセンサーマットが働きます。センサーマットから身体が離れたら報知する仕組みです。
対象者本人が携帯し場所を報知するタイプ
小型の徘徊感知機器を身につけた方がセンサー近くを通ると発信機の電波を介護者がもつ受信機に知らせます。受信器は固定式や携帯式があります。日常生活にある程度は問題ないけど、心配であったり危険な場所に行くことなどの制限をつけたい場合に活用できます。商品の一例として、
[うららかGPSウォーク〜株式会社トレイル]※介護保険貸与対象外
シューズの中に小型のGPS装置が入っていて、徘徊したときに対象者がどこにいるかを把握できます。WEB上で場所を表示するため、アプリも必要なく端末も選びませんが、機能を活用するには、別途通信契約が必要です。同様のGPS装置が御守り型やペンダント型になっているものもあります。
認知症徘徊感知機器の選ぶポイント
対象となる認知症の方の介護度や日常生活動作のレベル、住環境全ての状況から見守りがどの段階で必要なのかでタイプを選択します。
商品によって、報知の仕方もチャイムやメロディ、光るランプなどあります。認知症の方がその報知に気づいて避けるなどと意味をなさなくならないように住環境も検討項目に入ります。
小型の徘徊感知機器については、認知症の方が携帯しなければならないので、気づかれないように衣服に縫いつける、靴の中に入れる、お守りのようにするなどその方に合わせたタイプを選びましょう。