体位変換器とは、寝返り等の体の向きを変えることができない要介護状態の方の身体の位置や姿勢を容易に変換できたり保持することができる福祉用具です。
体位変換が必要な理由
私たちは寝ている時、自然と寝返りをうっており身体の位置や姿勢を変えています。これは、体にとって良い睡眠を得ようと無意識な動きになり、長時間同じ姿勢でいることが苦痛だから寝返りをうっています。これは、座っている姿勢でも同じことが言えます。
体の位置や姿勢を変えることのメリット
- 体への圧迫を取り除く
- 同じ姿勢でいると一定箇所が常に圧迫された状態になります。結果、血流も悪くなり、床ずれの要因に繋がります。
- 体温調整
- 布団などに接してる面は湿度が高くなり汗もかいてきますので、適度に動くことで体温を調整できます。
- 体の歪みをとる
- 同じ姿勢では腰痛などの体の痛みにも繋がり、また関節が固まる、変形などのリスクを招きます。
疾病や障害により自身で身動きがとれない場合は誰かに介助してもらう必要があります。しかし、床ずれ予防として推奨されている体位変換のスパンは2時間おきとされており、介助者には大きな負担がのしかかってきます。その負担を軽減する福祉用具が体位変換器です。
体位変換器の種類
シートタイプ
滑りのいい素材で身体の下に敷き込み、ベッド上で身体を上下左右にわずかな力で楽に移動や体位変換をすることができます。使い方の応用で移乗介助負担も軽減できます。
写真:東レ『トレイージースライドシート』
エアータイプは常に体位変換を行っていますが、横向きを保持したいなどがある場合はクッションタイプやボードタイプの併用をおすすめします。
また、体位変換介助を行う際には福祉用具を活用するにしても、介護者の腰への負担を軽減するため介護ベッドの床高さを腰の高さくらいまで上げると腰痛予防に繋がります。
(注意)体位変換器を身体の下や足の間などに差し込むときは、拘縮や屈曲制限など無理な介助にならないよう、要介護者の身体状態に気をつけましょう。