高齢者はたんぱく質を多くとったほうがいいって本当?
たんぱく質はすべての人にとって重要な栄養素です。筋肉や肌、髪の毛など、生命活動に必要な栄養素です。成長期の子どもやスポーツをする人はもちろん、成人から高齢者まで、毎日の食事から取り入れる必要があります。
一般的な成人の1日あたりのたんぱく質摂取量の目安は、体重1kgあたり1.0g程度といわれています。体重60gkgの人なら1日3食として、1食あたり60g(20g×3食)のたんぱく質をとれば必要量がまかなえる計算です。
例えば、食品ごとのたんぱく質の質量は
- 牛もも肉 100gに対して19.2g
- 鶏もも肉 100gに対して16.6g
- 鶏むね肉 100gに対して22.2g
- 豚ひれ肉 100gに対して15.8g
- 卵 1個 に対して6.2g
高齢者の場合は、体重1kgあたり1.2g程度のたんぱく質が必要になります。
健康状態や持病の有無によっても変わりますが、若年層よりも栄養の吸収効率が落ちていると考えられるためです。
近年、医療や介護で注目され始めている、「フレイル」「サルコペニア」をご存知でしょうか。
フレイルとは
フレイルとは、「加齢により心身が老いて衰えた状態」のことです。しかしフレイルは、早く介入して対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性があります。
サルコペニアとは
「加齢性筋肉減弱現象」とも呼ばれ、全身の筋肉量と筋力が自然低下し、身体能力が低下した状態を指します。加齢やたんぱく質不足、活動量の低下、病気などが原因で起こり、とくに60歳ごろからは急激にリスクが高まります。
フレイルやサルコペニアを避けるには、意識的なたんぱく質摂取や適度な運動など、早い段階から対策をしておくことが大切です。年齢を重ねると吸収効率が落ちるため、多くの摂取を心がけましょう。