ベトナムから来た外国人技能実習生の1期生と2期生は当社のセントラルキッチン、サテライトキッチンで働いています。彼女達を受け入れるために準備したことや感じたことをレポートしてみます。
技能実習の目的は、日本で技能を習得し、帰国後にその技術を使って就業することを目的としています。厳密に言うと労働者ではなく実習生なんです。しかし、人材不足での雇用であったり、日本の労働法規がそのまま適用されるので労働者という側面も持ち合わせています。
実習生の評価
彼女たちの仕事ぶりですが、今のところ大満足です。
- 学ぼうという姿勢が見える。
- 何事もチャレンジする。
- 休まないし、遅刻もしない(当たり前だけど)
- 覚えた仕事の作業スピードが速い
厨房スタッフは介護職員と同様に人材不足と言われています。当社でも新卒や中途採用での入社も以前と比べて激減しています。また、現場スタッフの平均年齢は上がっており定年や病気による退職などあり、人材の確保には大変苦労しています。そして最近は特に若手の就職希望者が少なくなったと感じています。
文化の違うベトナム人が、日本に来てすぐに日本の料理を調理できるとは思いませんが、作業内容の見直しやマニュアルの整備を行うことで、業務に支障なく戦力になれる人材に代わります。
マニュアル整備
当社では、マニュアルや連絡伝達の為だけに、専用のホームページを立ち上げました。職員一人一人にパスワードを与えているため、完全にクローズドなサイトとなってます。また、実習生はスマホを持っており、wifiが使える環境であれば、マニュアルを見ることができます。
一般的にマニュアルを作成しても形骸化してしまい、更新頻度も減ってしまいがちですが、当社では問題が発生した場合やオペレーションが変更した場合などにマニュアルを変更するようにしています。
(数年前までは、紙を印刷しファイルに保管。大切なことは掲示するという事をやってました。なかなか更新されません…)
勤務表や業務連絡などもホームページに載せているため、ほぼ全員がマニュアルを見るようになりました。マニュアルの基本的な部分についてはベトナム後を併記していますが、新卒や中途採用者にも効果的です。
他にも調理機器のマニュアルをPDFでダウンロードできるようにしていたりしてるので、機械が動かなくなっても現場でスマホを開いてマニュアル確認してエラーコードなども確認できるようにしています。
マニュアルの抜粋です。
業務のフォロー体制の構築
日本語を正しく理解できないと、現場での業務判断はできません。そこで判断が必要な業務については日本人スタッフが対応します。判断後は実習生に指示を出して作業をすることになります。施設名や人名などの漢字を読むことは難しく、また、どういう料理を作るのか分からないことがあるので、勝手に判断しないよう注意しながら作業を行ってもらいます。
例えば、
- 下処理工程では野菜や日配品、肉などのカット指示を日本人スタッフが出し、最初のカットまでを確認します。
- 加熱調理工程では揚物調理や、回転釜での作業を担います。日本人スタッフは味付けを行ったり、火から上げるタイミングを計ります。
- 包装作業では日本人スタッフが分量や個数を指示し袋詰めしていきます。
このような作業を担ってくれる事で、日本人スタッフは作業から離れることができ、次の調理工程の準備や翌日の段取りをすることができるようになります。
最後に
当社に来ている実習生は6名いますが非常にまじめです。当初は日本人スタッフも構えてましたが、挨拶をきちんとすることや仕事に取り組む姿勢であったり、動きなども良いので、すぐに受け入れられました。コミュニケーションも良く取れており、頼りにされています。
配属当初は、初めての海外に移住し、仕事をするという事で緊張感もあったようですが、若いせいか環境に順応するのも早いように感じます。
今回は、惣菜業についてレポートしましたが、次回は介護についてレポートをしていきたいと思います。